■■連載■■ 多発性硬化症の人のための新型コロナウィルス(感染症)対策


2020/04/01

【連載】多発性硬化症の人のための新型コロナウィルス(感染症)対策 第1回

<この文章は、2020年4月1日時点の情報をもとに書かれています>

 

新型コロナウィルスが流行っており、皆さんと同様、私たちも心配しながらの生活を送っています。

 

病気の面では、多発性硬化症(MS)の方は心配されているかもしれません。

多発性硬化症と新型コロナウィルス(そして感染症全般)について、どう心配して、どう対策していくとよいのかを考えたいと思います。

 

多発性硬化症国際連合は多発性硬化症の方に対して、新型コロナウィルス対策の助言を発表しました。

タイトル:The coronavirus and MS – global advice(2020.3.24)<クリックで外部リンク>

 

このページでは、多発性硬化症の人に限らない全ての人に大切な5項目が書かれています。

・Wash your hands frequently with soap and water or an alcohol-based hand rub

(石鹸と水、アルコールで手をいつもきれいに)

・Avoid touching your eyes, nose and mouth unless your hands are clean

(目、鼻、口を触るときは手を洗ってから)

・Try to keep at least 1 metre distance between yourself and others, particularly those who are coughing and sneezing

他の人とはできるだけ1メートル以上離れて)

・When coughing and sneezing, cover your mouth and nose with a flexed elbow or tissue

(咳やくしゃみをするときは、口と鼻をちり紙か肘の裏側で覆って)

・Practise food safety by using different chopping boards for raw meat and cooked foods and wash your hands between handling them.

(生の肉を切るときは他のまな板を使い、他のものを触るときは手を洗いましょう)

 

 

この5項目については、新型コロナウィルスに限らず、多発性硬化症の方にとって大変重要ですので、別の機会に詳しくご説明したいと思います。

 

 

また、特に多発性硬化症の人へのアドバイス3項目が記載されています。

In addition, we recommend that people with MS should:

・Avoid public gatherings and crowds

(人が集まるところを避けて)

・Avoid using public transport where possible

(公共交通機関の使用を避けて)

・Where possible, use alternatives to face-to-face routine medical appointments (for example, telephone appointments).

(電話での受診や他の手段があるなら、いつもの対面の受診ではなく、そちらに変えて)

 

さて、「そうは言われても・・・」と思われた方も多いと思います。

ずっと家にいることはできないし、

人が集まるところに行かなければならないこともありますし、

地下鉄やバスを使わないでどうやって通勤したらいいの?

病院に行かないほうがいいの?

 

こうした心配を一緒に考える「多発性硬化症の人のための新型コロナウィルス(感染症)対策」を今後、何回かに分けて連載していきます。

 

つづく

 

文:医療法人セレス神経難病学習センター

監修:深澤 俊行(さっぽろ神経内科病院 院長)